はじめまして、ホリメグルです。
インターネットをぶらつき、隠れた名作を探すのが趣味の者です。
今回のテーマは【目次文学】。目次文学とは何かを説明したうえで、実例をいくつか紹介していきます。
目次文学とは
目次文学とは、目次を重視した文学のことです。
本来、目次は文学の主役ではありません。読者が構成を把握したり、目的のページを探したりするための便利ツールに過ぎず、目次がなくても小説や詩は成立します。
そんな脇役である目次に注目し、独自のアプローチを試みたのが目次文学です。「作者がどのように目次を扱っているか?」というのが、目次文学の大きな見どころになります。
早速、実例を見ていきましょう。
予知時計と水の謎 〜時空を超えた最大の事件〜/moromy
はてなブログで創作やエッセイを発表しているmoromy氏の『目次だけの作品集』シリーズ。
いずれの作品も本文はなく、書かれているのは章やエピソードのタイトルだけ。読者は想像力を駆使して、物語を補完しなければなりません。極めて能動的な読書が求められる作品集です。
今までに40作以上の作品が投稿されており、その記念すべき第一作が『予知時計と水の謎 〜時空を超えた最大の事件〜』。推理小説のようなタイトルと目次が並んでおり、比較的ストーリーが想像しやすいので、入門に打ってつけだと思います(もっとも、この目次からあえて異能バトルやホラーを想像するという変則的な楽しみ方もできるわけですが)。
目次/大塚晩霜
実験小説の書評&創作サイト『とりぶみ』の管理人、大塚晩霜氏の怪作。
大塚氏の短編集『目次』の冒頭に置かれた作品ですが、その内容は言葉遊びと謎解きと自己言及のオンパレード。実験小説らしい諧謔味と過剰なまでの細部へのこだわりに溢れています。
moromy氏の『目次だけの作品集』とは異なり、目次から内容を想像するのはまず無理。というより、そもそも内容を想定していないような気がします。「本文の存在を前提とせず、目次を目次単体で成立させた小説」といえるのではないでしょうか。
このあたり、作者ごとの目次観の違いがはっきり現れていて、興味深いですね。
目次小説/いましん

『ドド太郎』や『叫ぶ。挫折したキャベツの破滅。』といった奇妙な小説をカクヨムに発表している、いましん氏の『目次小説』。
この短編には、目次だけでなく本文もあります。ただし、一筋縄ではいきません。作者から読者に対して、「小説の読み方の指示」があるからです。
紹介文から引用すると、
①目次を読む。
②本文を読む。
「普通、その順番で読むだろ」と思ったそこのあなた……あとはご自分の目でその実態を確かめてください。
まとめ
目次文学は作例が少なく、新しい可能性がまだまだ残されている分野です。今後の発展に期待しましょう。
